感性経営とは


●感性経営とは

 「感性経営」とは、
「感性論哲学」をベースとして、企業の経営に活かしたものです。
「感性を原理とした経営」と言ってもいいでしょう。
 そして、「感性経営」は、企業の数だけあると言えます。
「株式会社○○の感性経営」、「コンサルタント○○の感性経営」という具合です。 
また、「その感性経営で成功した会社はあるの?」とよく聞かれます。
経営者自らが「感性論哲学」を学ばれて、
その上で企業経営を進められて成功している会社が増えています。
「感性論哲学」という哲学を理解した上で、
それぞれの個性・強みを活かした、
それぞれの「感性経営」を実践していく中で成功をしていく、
という意味です。
 アップルにしても、ユニクロにしても、ヤマト運輸にしても
松下電器、ホンダ、ソニーにしても、アメーバ経営の京セラもやっていたことは
「感性経営」そのものです。
それぞれの経営者の強烈な個性、強みは、みんなそれぞれの感性から来ています。
 その意味でも「感性」を原理とした経営が、基本だと確信するものです。
「感性経営」における原理原則を、哲学者・芳村思風氏は次のように記しています。
 

【感性経営の5原則】

※最新のものは「10原則」にバージョンアップされています。 
①  利益の出る仕組みをつくり続ける
②  よりよい方向性への変化をつくり出し続ける
③  問題を乗り越え続ける
④  感性から湧き出てくる経営理念を活かす
⑤  本業を通じて個人と会社を成長進化させる
 ●その1-利益の出る仕組みをつくり続けること 
まず、第1番目は、経営とは、利益の出る仕組みをつくり続けること。
会社というのは利益の出る仕組みのこと。
利益が出なくなってしまったら、会社ではないのです。
赤字になってしまったのでは会社ではないのです。
赤字の会社というのは社員を養えませんし、社会に迷惑をかけます。 
しかも、いったんつくった利益の出る仕組みというものは、
時代が動いていますから、すぐに利益の出ない仕組みに変わってしまうのです。
経営者というのは、毎日毎日、利益の出る仕組みをつくり続けるという努力をしないと、
会社を経営していくことはできません。 
●その2・りよい方向性への変化をつくり出し続ける 
2番目は、生命論から来る話しですけれども、
生きているということは変化すること。
変化しないということは死んでいるということです。
会社が生きているということは、
変化をつくり出すという努力をすることが、
会社を活かすことなのだということです。 
しかも、より良い方向性への変化をつくり出すことをしなければ会社は発展しません。
経営とは、より良い方向性への変化をつくり出し続けることです。 
より良い方向性への変化を経営者がつくり出し続けることによって、
社員に未来への夢と希望を与えることができる。
社員に未来への夢と希望を与えるということが非常に大事な経営能力なのです。
 とにかくは、何かしらちょっとしたことでもいいですから、
目に見える変化、より良い方向性への変化というものを
社員のためにつくり出し続けるということが経営ということなのです。 
自分の会社から出てくる提案や問題を原理にしながら、
それをどんどん解決した形にしていくということをやっていくことです。 
●その3・問題を乗り越え続ける 
3番目は、経営とは、問題を乗り越え続けていくことです。
問題が出てこないことを望んではなりません。
問題は常に在るのであって、在って当然なのです。
問題の無い現実はない。問題が出てきた時に困ってはならない。
問題が出てきた時にひるんではならない。
問題が出てきた時に逃げてはならない。
経営とは問題を乗り越え続けていくことが経営なのですから。
 問題の出てこないことを望んだら、それはもう経営者ではありません。
「中小企業の経営者はついつい問題の出てこないことを望んでしまう」という、
そういう原理的な間違いを起こしてしまうのです。 
伸びる会社というのは、言ってみれば、クレームが来ることを待っているくらいなのです。
「誠実にそのクレームに応えて、さらに消費者の信頼を獲得しよう。
クレームこそ、消費者の信頼を獲得するための材料だ」と思う訳です。
それが、いわゆるどんな事でもプラスにしてしまうという積極経営の典型です。 
人間も不完全ですし、現実も不完全なのです。
全然問題の無い現実など存在しません。
けれども、問題というのは感性が感じなかったら、問題は在っても出てきません。
感性が感じないだけであって、問題は常にあるのです。 
だからこそ我々は、感性を磨いて、早く問題を感じることが出来る、
そういう人間にならないと歴史の要請が見えないのです。
一体、歴史は何を自分に求めているのか。
自分の会社に何が求められているのか。
そのことを的確につかもうとしたら感性で感じるしかないのです。 
感性経営とは、問題を感じ取る経営です。
理性経営とは、問題を揉み消す経営です。 
●その4・感性から湧き出てくる経営理念を活かす
 理念とはそれを意識することによって、
人間と会社が発展成長する精神的原理のことを言います。
理念というものは、現実化されなければならないものですけれども、
理念というものは、永遠に理念であって、現実化されるものではありません。
それが故に理念だということです。 
「最高の満足を与え、最大の信頼を得る。そのために努力しよう」。
これが、感性論哲学から言うところの経営理念であります。
これ以上の経営理念はありません。 
結局、社会というのは、何なのか、社会で一番厳しい原理は何なのかと言いましたら、
それは自分の価値は他人が決定するということです。 
「最高の満足を与え、」ということはどういうことなのかと言いましたら、
「株主満足度」「取引先満足度」「社員満足度」「顧客満足度」
という4つの満足を追求することが経営です。
そして、最終的には、
株主から信頼され、取引先から信頼され、社員から信頼され、
消費者から信頼される。これが最高の経営であります。 
◆人に喜んでもらえるような仕事をする
 次に、仕事論ということになります。
仕事とは何なのか。
人間は労働するということを通して経済的な世界と関わりを持つものです。 
「この労働というものが、経済価値を持つために何が大事なのか?」と言いましたら、
最も根底においては、「人に喜んでもらえるような仕事の仕方をするということ」が、
労働というものが経済価値を持つための基本原理であります。 
 ◆現実を導く力、それが理念 
あまりにも経営理念というものを理性的に考えすぎているようです。
経営理念の魂は何なのかと言いましたら、これは「燃える」ということです。
その言葉、その理念を聞いただけで、命がカッカしてきて燃えてくる。
そういうものでなかったならば、理念としての価値はありません。 
ですから、今自分のやっている仕事の意味や価値や値打、
素晴らしさや醍醐味が感性で感じられていなかったならば、
経営理念は出来ません。 
ほとんどのところでやっている経営理念の作成というのは、
全部頭で考えてしまっているようです。
だから、結局は、頭で考えたものは人間を縛るのです。
理念を意識することによって、自分が理念に縛られてしまって、
窮屈で堅苦しいという状態になってしまうのです。
 本当に自分たちの目的にしていくべきものというのは、
命から湧いてくるものでなかったならば、価値がありませんし、
命から湧いてくるものでなければ、真の意味では実現できないのです。 
◆「したい事をする」のが本当の幸せ 
そして、命から「このようになりたい」「こうしたい」という欲求が湧いてきたならば、
そういう欲求を実現するところに自分の生きがいがあり、喜びがあり、
「それこそ自分の本当の理想と言えるものだ」という事を理解しておかなければなりません。 
すなわち、「人間はしたい事をすることが幸せ」なのであって、
「したくない事をすることは不幸」なのです。
ですから、「したい」というものを命から引っ張り出さなければ、
本当には行動力、実践力、やる気というものは出てこないのです。 
やはり、人生においても仕事をする上でも、一番大事なのは「不撓不屈の意志」です。
「どんな問題でも乗り越えていくぞ」という気構えがなかったならば、
物事はすべて中途半端になってしまいます。
 それでは、「不撓不屈の意志」とは何なのか。
「意志の強さ」とは何なのか。
これまでは、「意志の強い人間というのは、自分のしたい事は我慢して、
しなければならない事ができるという人間が意志の強い、立派な人間なのだ」と言われてきたのです。
 「立派な人間とは我慢できる人間だ。我慢できない人間はダメな人間なのだ」というのは、
これまでの人間観なのです。 
●その5-本業を通して社員と会社を発展成長させる 
最後の5番目は、経営とは本業を通して社員と会社を発展成長させること。
本当に経営をする、経営力を発揮していこうと思ったならば、
本業で儲からないとダメなのです。
本業を通して、人間と会社を発展させることです。 
そもそも仕事というものはどういう原理を持っているかと言いますと、
人に喜んでもらえるような仕事の仕方が出来る能力と人間性を持った人間に、
人間を鍛え上げるというのが、仕事、職場というものの価値なのです。 
社員をそういうふうに成長させて行って、会社を発展させていく。
それが人材教育、社員教育ということであります。 

●会社の理想

 

 そして、芳村思風氏は「会社の理想」について次のように述べています。
 会社は、
全社員が「自分の能力が最大限に発揮できる場所だ」
と言えるような喜びを与えてやらなければならない。
 社員一人一人が
「この会社こそ、まさに自分の能力を最高に発揮できる場所だ」
と言えるような仕事を経営者は与えてやらなければならない。
自分が最高に活かされる状況を全社員に創ってやることが理想であらねばならない。
 会社は、すべての人間にとって最大の生きがいの原点たるべきである。
職場は、最高の自己実現の場、その仕事を通して自分を完成させていく場、
自分を創り出していく場、
自己創造・自己完成・自己実現の最も素晴らしい世界でなければならない。 
むそれが、会社ということになり、初めて、会社は本当に活性化される。
 

●感性型リーダー10の条件

 

「理想の会社」づくりに向けて、
リーダーは、メンバーのパワーを結集していかなければなりません。
「感性経営」におけるリーダーのことを「感性型リーダー」と言っています。
状況に応じては「理性型リーダー」も必要になりますが、
基本的には「感性型リーダー」によるリーダーシップで進めて行くことです。
「感性型リーダー」の条件として芳村思風氏は以下の10項目を掲げています。
 ①人に教えることが出来るずば抜けた能力、 あるいは、人の持っている能力を活かして使う活人力
②人間的魅力、人望、人格
③勇気ある行動力④先見性
⑤情熱を持って夢を語る力
⑥哲学を持っている(解釈力)
⑦人間としての成長意欲
⑧創意工夫の精神
⑨文化力
⑩包容力 

●チームとベクトル合わせ

 

 2名以上の人がいれば、それは組織と呼ばれます。
2名ならペア、3名ならトリオ、それ以上ならチーム、ということになります。 
チームと言う場合、そこにはチームスピリット(心)があり、
それが、結束あることをチームワークと言い、
その行動の様子をチームプレーと言っています。
そして、チームはそれぞれの目標として、ゴールを目指したり、
点数を競ったり、タイムを競ったりして勝負を決め、順位を決めていきます。
 リーダーは、メンバーをうまくまとめて、その力を結集していかなければなりません。
ベクトルを合わせるようにして、
最大の力となるように進めて行くのがすぐれたリーダーシップです。
そのためには、次の3点がポイントとなります。
 ①  起点を定め(経営理念や「おもい」の共有)
②  目標を明らかにして(目標設定)
③  力を合わせて行動する。(計画的な行動) 
また、私たち人間は1人1人顔が違うように、個性も強みも違っています。
この「違い」はどこから生まれてくるのでしょうか。
「違い」は、大きく分けて次の4つが原因になっています。
 ①強み・天分の違い
②  体験・経験の違い
③  出会いの違い
④解釈・学習内容の違い 

●強み・天分の見つけ方

 

 4つのうちの「強み・天分」ついては、
とても重要な事柄ですので 細かい説明をさせていただきます。
「三つ子の魂、百までも」と言われるように
3歳くらいまでに脳神経のつながりの全体はできてしまいます。
さらに15歳くらいまでに、よく使う脳神経は太く強くなり、
使わない脳神経は細くなり弱くなっていきます。
そのプロセスで「強み」が形成されていく、ということです。
それは「天分」と呼ばれることもあります。
この「強み」を生かし合った生き方、働き方をしていくことが大事です。
「形成された強み・天分」ついて、
自分で知るためには次のような点に注意することです。
実際に「やってみる」「行動する」ことがポイントです。
何事も中途半端にやっていたのでは、「強み・天分」は見つけにくいものです。 
①やってみて、好きになるかどうか
②やってみて、興味・関心が持てるかどうか
③やってみて、得手・勝手と思えるかどうか
④やってみて、他人よりうまくできるかどうか
⑤真剣にやってみて、問題意識が持てるかどうか
 このプロセスを組み込んだアンケートシステムとしてプログラム化されたのが
「ストレングス・ファインダー」(強み診断)です。
『さあ、才能に目覚めよう』(マーカス・バッキンガム著)の中で紹介されています。
「34の強み」からその人固有の「5つの強み」を教えてくれます。 
そして、各自は自らの「強み」を活かすように努め、
さらに、メンバー同士の「強み」を活かし合うように進めていきます。
 「違い」故に、対立することが多くなりがちですが、
「違い」を活かし合って進めて行くようにリードしていくことも
リーダーのリーダーシップとして欠かせないことです。 
 

 

●統率力(リーダーシップ)の育て方

 

 そこで「対立」をどのように解釈するかと言いますと、
「対立とは、自分にないものを持っている人間は誰なのかを教えてくれる現象」
というように解釈するということです。
 つまり、「自分が成長するために学びとらなければならないものを持っている人間は誰か」
を教えてくれている現象だということです。
対立を避けるのではなく、対立から逃げるのではなく、
対立を迎え入れて、乗り超えていくのが統率力(リーダーシップ)をつけるための第1段階です。 
そして、第2段階は、「対立」というものの解釈を変えた上で、
相手に関心を持ち、好奇心を持ち、認識欲を持って接する、ということです。
 第3段階は、「器量づくり」(社会性の第1面に対応)の段階、
「人間としての成長意欲を持って進める」ということです。
「もっともっと人間として成長したい」
「そのためにも、もっと他人から学びたい」
ということで進めて行くのです。 
このようにして、自分から相手に対する敵対心を除去し、
相手から自分に向かってくる敵対心を除去するというができてきますと、
これを「器が大きい」「器量がある」というように言うのです。 
第4段階は、「度量づくり」(社会性の第2の側面に対応)の段階です。
自分のことを誤解されることなく、正しく理解してもらう力のことを
「度量」と言っています。
「相手がわからないのは、私の話し方が足りなかったのだ」と考えることで、
自分は成長することができるのです。
「リーダーは、基本的にはこういう考え方をしている。
にも拘わらず、それと違う考え方を認めて許すことができる。
なんて度量が大きいんだ」という具合です。 
第5段階は、「包容力づくり」です。
「自分と違った人間性、自分と違った考え方の人間をどれだけ違うままで
、自分の中に包容できるか」というのが包容力です。
そのためには、自分と違った考え方を持っている人間を自分の中に包み込んで、
そして、自分と違う考え方を持っている人間の体験・経験・学習内容というものから何かを学び取って、
そして相手から教えてもらうことによって自分を成長させていく。
 自分が相手よりもレベルの高い考え方に成長させていく。
その努力をすると自分のことをわかってくれる、自分の考えを採り入れてくれて、
しかも、自分より高度な考え方に成長させていったならば、この人に着いて行こう、
という構造が出てきます。 
相手に含まれてしまっているという事実をつくることが、
相手が飛び込んでくるという関係性を自分がつくり出す原理になっていくのです。 
そして、第6段階として、「社会的地位の中での統率力づくり」です。
つまり、目標を決めた事柄において、メンバーのとりまとめや、
メンバーの持ち味を生かしながら責任を持って進めて行くということです。
それには、会社における仕事を進めて行く中での
業務的な地位・リーダー、プロジェクトにおける地位・リーダーという役割が必要になってきます。
「地位が人をつくる」、「地位に伴う責任が人を鍛える」ということです。 
そして、本当に統率力というものを実力として発揮させる力の主なものとして
「外的人間力」と言われるものがあります。 

【外的人間力】

 

・政治力・・・どれだけ言霊を伴った言葉で人を動かせるか
・経済力・・・資金サイクルをうまく回せる力
・教育力・・・集団内に子飼いの社員をつくる力、教え・育てる力
・文化力・・・人間関係の中に尊敬や親しみ、信頼の構造をつくっていく力
・リスクマネジメント力・・・リスク、外的暴力に対抗できる力 
また、「外的人間力」とセットになっている「内的人間力」があります。
それは、以下の通りです。「感性論哲学」の原理論をベースにしているところの力のことです。
 

【内的人間力】

 

 ・知力(理性面)
・気力(感性面)
・体力(肉体面)
・意志の力
・愛の力 統率力
リーダーシップのおさらいをしておきましょう。 

【統率力・リーダーシップをつくる6つの段階】

 ①  人間関係における「対立」の感性論哲学的解釈

②  感性論哲学的「対立」の解釈に基づき、積極的に相手に接する
③  器量づくり
④  度量づくり
⑤  包容力づくり
⑥  地位を通しての実践(地位がリーダーシップをつくる) 

●感性型フォロアー10の条件

 

 また、リーダーシップと対をなすものとして
部下における「フォロアーシップ」があります。
これは、部下に強要するものではありませんので注意して下さい。
よきリーダーになっていくための心得として
部下の方が自ら進んで支持していただけるのが望ましいと言えます。
 ①  リーダーの夢をわが夢とする。
②  リーダーの参謀役に徹する。
③  フォロアーのおもいをリーダーに素直に伝えている。
④  リーダーを見守り、育てようとしている。
⑤  リーダーの短所を補い、短所を責めない。
⑥  理屈を超えてリーダーに従い、守る。
⑦  仕事を通じて自分を成長させる。
⑧  人の役に立つ人間になるべく努めている。
⑨  立場・役割を自覚して働く。
⑩  自分のしている仕事の意味や価値を確認しながら働く。
  

●感性論哲学の歴史観10の原則

 

 さて、この何万年に一度の歴史的大転換期において
会社をどのように経営していったらいいのでしょうか。
まず、人類の歴史について基本的な歴史観を知っておきましょう。 
①  歴史は風土と民族と国家と思想を変えながら進んでいく。
②  すべての存在は、存在する事への必然性を持って存在している。
③  すべての存在は、存在する事への必然性を実現しきった時、完成され衰退していく。 
④  一度完成された形式に到達したものは、保守化して時代に取り残され、衰退する。
⑤  一度歴史的使命を果たし終え潜在能力を出しきったものは、2度と歴史の主役にはなり得ない。
⑥  人類は人類としての潜在能力を実現しきった時、衰退する 
⑦  世界歴史を動かす力が2つある。因果律と自由律である。
⑧  時代を興す原理は、また時代を滅ぼす原理でもある。 
⑨  不安を解消し安心を実現する事を目的に歴史が創られる。 
⑩  時代欲求や時代感情・時代感性が歴史の方向性を決定する。 
 

●3つのパラダイムシフトの視点

 

 先に述べたような歴史観の中で歴史は進み、積み重なっていきます。
その中で、大きな変化を迎えている現在、
3つの視点から、何から何へ、どのように変わっていくのか、
について触れていきます。
これを知っておくことで、時代の大きな変化の流れを読むことができます。 
【数万年単位】
・地球時代から宇宙時代へ
・タテ型社会からヨコ型社会へ
・弱肉強食から適者生存へ 
【数千年単位】 
・西洋の時代から東洋の時代へ。 理性原理から感性原理へ  
・文明の対立から世界文明へ。 地域文明から世界文明へ
・二元論的人間観から一元論的人間論へ 
【数百年単位】 
・政党政治から脱政党政治へ。そして合議政治へ。
・資本主義経済から脱資本主義経済へ。 そして人格主義経済(道の思想)へ。
・民主主義から脱民主主義へ。そして互敬主義社会へ。
・理性文明から脱理性文明へ。そして感性文明へ。
・物質文明から脱物質文明へ。そして精神文明へ。 

●時流独創の6大精神

 

 歴史観、そして数万年単位、数千年単位、数百年単位の変化についてみてきました。
そのような大激変、大変化の中でどのように、会社の経営をしていけばいいのでしょうか。
もちろん「感性経営」ですが、より具体的な内容を列記していきます。
 

【時流独創の精神・6カ条】

 

 ①  自分の心を本当に納得させるものを理屈抜きに追い求める。
②  固定観念・先入観念から自分を解放する。
③  自分の使命が何であるかを知る。
④  命から湧き上がってくる欲求・欲望・興味・関心・好奇心を持つ。
⑤  現実への異和感を大切にする。
⑥  有機的統合能力を磨く。
 

【時流独創の経営・6カ条】

 

①  独創的技術の確立する。
②  独創的商品の開発をする。
③  独創的職業間領域(ニッチ)の発見をする。
④  独創的営業分野の開拓をする。
⑤  独創的改良改革への提言をする。
⑥  独創的経営システムの構築をする。  
以上が、「感性経営」の基本的な内容です。  
あなたの感性を核として、
社員のみなさんの感性を合わせて「あなたの感性経営」を進めてください。
感性論哲学という哲学をベースとすることで迷うことはなくなります。
揺らぎながら、よりよい方向を目指して成長進化していくのです。