易経を経営に活かす勉強会


易占の心構え

易占いをする前に次のような心得が大切です。

占う事柄は出来るだけ具体的に絞ること。
占筮は、問題を充分に考え、客観的な条件も考慮に入れて自分なりに検討します。 「私の人生はどうですか」と占ったとしても、何も出ません。占う事柄を具体的に細かく、的を絞ります。絞れば絞るほど当たりやすいです。何を占うのかを突き詰めて考えて、占う事柄の的(占的)を絞ることです。何が問題なのかを冷静によく考えて頭を整理することです。そうすると占機、占うチャンスがやってきます。問題が煮詰まった時、機が熟した時、本当に答えが切実に必要な時は具体的に答えがでます。占果を得るために必ず必要なことです。
同じことを2度占ってはならない。
「初筮は告ぐ、再三すれば涜る。涜るれば告げず。」という言葉が山水蒙の卦にあります。 答えが気に入らないからといって再筮してはならない。再筮するのはなにがいけないかといったら、精神が汚れます。事実を知りたいという気持ちではなくて、自分に都合のいい答えを知りたい。そのためだったら自分さえも騙すという気持がいけないというのです。
不正なことを占ってはならない。
まず、おもしろ半分に不純な気持で占ってはいけません。悪事について、他人に危害を及ぼすようなこと、私欲に関することは占わない。道理として、すべきことは占うことではありません。たとえば今、育児が大変だから、放棄してもいいかどうか、邪魔者に危害を加えてもいいかどうか、などということです。また、死に関しては占わない。自分や他人の死に関しても占いません。

「五不看」はこんな時は精神集中ができないので、占ってはいけないという五箇条です。

一. 酒を飲んだり、酔ったりしている時に占ってはならない。
酒を飲んで占った場合は、まず当たりません。集中度が少ないからです。
二. 房事の後に占ってはならない。
ぼわんとしているからです。
三. 喧嘩した後に占ってはならない。
かっかとしているから、集中どころではありません。
四. 人込みの中で占ってはならない。だが、熟練者の場合だと、それでも精神集中できる者がいる。精神集中できれば可。
静かになって、気持を落ち着けてできる環境づくりが大切です。ただし、プロの占い師は人ごみの中で集中できるように訓練しています。
五. 苦悶、煩悶を抱いている時に占ってはならない。
パニックになっている状況や苦悶のある時は集中できません。苦悶のある時は一番占いたい時ですが、だいたい集中力がありません。

 

 

本筮法・中筮法・略筮法

易占いは五十本の竹を削った筮竹を使って占います。本筮法・中筮法・略筮法の3種があります。本筮法を簡略化したものが、中筮法・略筮法です。現代ではほとんどは中筮法か、略筮法によって占います。 50という数字には意味があって、1から10までの数字を奇数は陽で天とし、偶数は陰で地とします。天の数を足すと25、地の数を足すと30、その合計は 55、そこから五行の5を引いて50本としたわけです。

本筮法

  1. 五十本の筮竹は、片方が少し細くなっていて、その細い方を左手に握ります。その中から一本を抜き取ります。
    この一本は筮筒に立てて、太極として使用しません。
  2. 次に握った49本を扇形に少しひろげて、その中ほどあたりから、右手でパッと分けます。
    ※このときに二つの言葉「至誠通天」「至誠無息」を頭に入れておいてください。
    「至誠天に通ず」は、真心を込めて筮を立てれば、必ず天に通じ、易神が正しい卦を立ててくださるということを信じる。これがまず、絶対に必要な精神です。 「至誠息するなし」筮竹をさばくとき、占うべき事柄をじっと心に念じ、そのことをこの額のところ、つまり前頭葉に集中し、軽く目を閉じます。そうしてすうっと息を吐いて、すっかり空っぽにします。そして、もうこれ以上は、と吐き尽くした瞬間、パッと分けます。
  3. 二つに分けたら、右手の方の筮竹は机の上に置き、そこから一本取って、左手の小指と薬指の間に挟みます。
    左手に握っているのが天策、1本挟んだのが人策、机にあるのが地策です。これで天地人の三才が象られます。
  4. 次に天策を四本ずつ数えてゆき、余った策(割りきれる場合は四本を余りとする)を薬指と中指の間にはさみます。次に机上に置いてあった地策をとりあげ、同じように四本ずつ数えて、余りを中指と人さし指の間にはさみます(第三、四営)。
  5. 指にはさんだ策数を合計すると、それは必ず5か9となります。これを第一変といいます。
  6. この5本または9本を除いて、44本~40本の筮竹で、第一変と同じように2~4を繰り返すと、こんどは指にはさむ策数は必ず4か8となります。これが第二変です。
  7. さらにこれを除いて、もう一度繰り返すと指にはさむ策数は、こんども必ず4か8となります。(第三変)
  8. 三変まで行なうと、指にはさんで除いていった策数の合計は、必ず25、21、17、13のいずれかとなり、除かれずに残った策数は24、28、32、36(4の6倍、7倍、8倍、9倍)となります。6は老陰、7は少陽、8は少陰、9は老陽とします。24本、32本残った場合は陰、28本、36本残った場合は陽として、一つの卦の六爻のはじめの初爻が決まります。
  9. あとは同じことを繰り返して、下から順に二爻~上爻と定めてゆきます。一爻を定めるために三変、六爻を定めるためには十八変を必要とするので、十八変筮ともいわれています。

中筮法

中筮法本筮法は十八変でした。中筮法は六変で卦を出す筮法です。

  1. 本筮法1~3までの手順と同じです。
  2. 地策はそのままにして左手の天策を2本ずつ4回で、八本払います。
  3. その余り(割り切れる場合は0本)に、小指にはさんだ一本を加えた数で、老陽、老陰、少陽、少陰(右表参照)を定めます。これを6回行って、初爻から上爻へ、順番に六爻が定まります。これを六変筮法ともいいます。

略筮法

中筮法では一変で一爻を定めますが、略筮法では三変で八卦(小成卦)を定めます。

  1. 中筮法とまったく同じ操作で余りの数を出し、右表にしたがって下卦を定めます。
  2. 2本残ったとすれば、下卦は「兌」です。これをもう一度繰り返して上卦を定めます。 こうして、陽―と陰--の六つの組み合わせによる、ひとつの卦ができたわけです。
  3. 次にそれから該当する爻を見るために、太極、天策、地策、人策まではこれまでと同様ですが、今度は天策を2本ずつ3回の六本払いをして、こんどは左手の天策を六本ずつ数え てゆき、その余りに人策を加えた数が爻を示します。たとえば、5本であったとすれば、五爻が該当の爻です。

コイン占い

 

初心者でも簡単にできるのがコイン占いです。

手軽な方法ですが、筮法と同じ心構えで占えば、きちんと答えが得られます。

硬貨は「日本国」とある方が表で陽、裏が陰です。

  1. 硬貨を六枚用意します。そのうち一枚は違う種類のものか、しるしをつけてください。
    (よく使うのは、十円玉五枚、百円玉一枚)
  2. 六枚を振り、よくまぜあわせます。
  3. 的をしぼった問いをもって、精神をそれに集中します。
  4. 六枚を下から上へ並べます。
  5. 上三枚(上卦)、下三枚(下卦)をみて、卦をみます。
  6. 六枚のうち種類の違う一枚を変爻とします。
  7. 六十四卦のうち該当する卦の卦辞と、変爻にあたる爻の爻辞を読みます。

 

 

中と正

(図4)陰陽の爻の位置には、中と正があります。

中は、上下八卦のそれぞれ真ん中の二爻と五爻をいいます。

初爻から上爻までを数字で数え、初、三、五爻の奇数で陽、二、四、上爻は偶数で陰としています。奇数の位に陽の爻があれば、正、陰の爻であったら、不正といいます。(図4)一般にその時の立場にあった出処進退ができているかどうか、などの判断基準になります。 多くは正は吉、不正は凶になります。中庸を重んじる易では、中にあたる二爻と五爻が正である場合は、ほとんどが吉と記されます。

火水未済と水火既済の卦を例にあげました。火水未済はすべての爻が不正です。逆に水火既済はすべてが正です。ここから、火水未済はまだ何もなっていない未完成の時をあらわし、水火既済は完成の時をあらわす卦です。

応と比

(図5)爻は応じあう、親しむ関係をもしめしています。人間関係などを判断するときに応と比をみます。応は、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻が持っている相応関係で、本来の相手をあらわします。この対応が一方が陰、一方が陽ならば、「正応」で助け応じあい、陽と陽、陰と陰では応じない「不応(敵応)」の関係になります。(図5) 比は、隣り合わせの爻の関係をいいます。陰と陽であれば、親しく助け合う関係であり、比するといいます。 応は夫婦、師弟、上司と部下など本来応じあうべき関係です。比は親友、兄弟姉妹、同僚、同士という関係です。 比よりも重要なのは正応の相手であり、結ぶべきは、比の関係よりも正応の関係です。


64卦A

https://www.aki-ta.com/eki/5.html

 

64卦B   上経 下経の順

https://www.aki-ta.com/eki/8.html

 


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64卦牌



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